終活について

終活とは万が一の場合に備え身の回りの方が困らないように、またご自身の希望通りの介護や医療・葬儀・相続などが叶えられるように準備や整理をしておくことを指します。終活という言葉が知られる様になった当初は「生きている内に死後の準備をすることは縁起が悪い」という風潮がありましたが、少子高齢社会に突入しメディアなどで葬儀や介護・医療のリアルな問題が大きく取り上げられるようになってから「いざという時に困らないように元気に生きている間に準備をしておこう」という考え方が広まってきました。
終活の大きな要素としては三つの点が挙げられ「人生について」「遺すもの」「エンディング」です。「人生について」は過去を振り返り、今を見つめこの先の人生を自分らしい生き生きとした人生に創っていくという事です。「遺すもの」は財産や相続は勿論ですが、財産とは呼べない遺品やペット等はそれらの行先をどうするか、これらをしっかりと棚卸して考えてる事です。「エンディング」は葬儀やお墓そして供養についてどういう風にしてほしいのか、どうすれば自分らしいエンディングになるのかを考える事です。
この様に終活とは、葬儀やお墓のことなど自分が他界した後のことをあらかじめ考え、決めておくことで残りの人生を充実させるという活動です。亡くなった後だけでなく例えば介護など生前のことから、相続や遺品整理といった死後に遺された家族にかかわることまで一連の流れで考えます。

終活を行う利点については「今後の自分の生き方を考えるきっかけになる」という点があります。終活の一環として生前整理があり、物事の要る要らないを決め、生活自体を最小限にする生前整理は自分のこれまでの人生を振り返る作業とも言えます。自分の生き方に思いを巡らせていると自然と今後のことも考えることになりますから、より一層味わい深い人生を送っていくためにも役に立つ時間といえるでしょう。また「自分の遺志を遂行できる」という点も大きな利点ではないでしょうか。葬儀に焦点を当てて言えば「生前お世話になった方々を呼び盛大に式を執り行いたい」「家族などの限られた方々だけで式を執り行いたい」など、人によって希望は様々です。エンディングノートや遺書などによって希望を残しておけば死後も自分の遺志を全うできます。
最後に「残された方々が安心する事ができる」という点はご自身のみならず身近にいる大切な方にとっても大きな利点でしょう。葬儀の形式を決めておく・お墓を買っておく・財産を整理しておくなどすれば、死後に家族への負担を軽減できます。また、葬儀の形式を決めておくというのは生前に希望するプランで葬儀社と契約を結んでおけば本人の希望通りに送ってあげられると残された方々の安心にも繋がるのです。

お葬式の豆知識
終活で行うべき事

終活で考え行うべき事はいくつかあります。終活には生きている間をどう過ごすかということを決め、それに向けた準備活動をすることも含まれます。
生前のことについては、「終末期医療」「介護について」「独り暮らしの場合の対応」などが挙げられます。終末期医療については、延命治療を希望について予め決めておけば例え自分に意識がなくなっても自分の希望に沿った処置をして貰えます。また、介護が必要となった場合に全般的な相談を受け付けてくれるのが「地域包括支援センター」です。どのようなサポートが行われているのかを事前に確認しておきましょう。同時に介護施設に入所することを想定し、介護保険制度についても知っておく必要があります。高齢者となった際に地域の市役所の窓口に相談にいくことも可能ですが民生委員に相談するという方法もあります。介護や食事の配送サービスなどをしている場所の情報などを提供してくれるので視野に入れておくと良いでしょう。認知症などで自分の意思を表示できない場合に備えて老人ホームなどの介護施設に入居するのかどうか決めておくのも終活の一部ですし成年後見制度の活用を決めておくのも終活です。また、独り暮らしの人の場合、自分が死んでから長期間発見されない可能性もあります。腐乱した状態で発見されると遺族のショックは大きいですし、後始末の負担も大きくなります。こういった事態を防ぐために「見回りサービス」などといわれる定期巡回サービスや安否確認サービスを利用しておくのも広い意味では終活に含まれます。
亡くなった後のことについては、「葬儀やお墓の手配」「亡くなった後のこと」などが挙げられます。亡くなった後には葬儀やお墓の手配も問題となります。葬儀ための費用はあるのかどのような形式でお葬式を行うべきなのか・納骨できるお墓はあるのか・お墓がない場合はどうするのかといったような点が主な問題です。特に葬儀については、短い時間で様々な事を遺族の方は決めなければなりません。人が亡くなった際の遺族の負担は想像を絶する程、大きなものです。本人の意思で事前にこういった点を決めておけば遺族の負担を軽減できますし、ご自身の望む最期の時を迎えることができます。また、お墓についても近年では一般的なお墓から納骨堂や樹木葬・永代供養墓・散骨など安置方法も様々です。家族や周りの方々に迷惑をかけたくないとあらかじめ準備をしているケースも多々あります。ペットを飼っている人はそのペットの譲り先などきちんと考えておく必要があります。
亡くなった後には相続や遺品整理の問題が出てきます。遺される家族のためにも終活でそれらの整理も行っておくとスムーズです。終活で整理を行っていないと、遺族はどこにどのような遺産があるのか・誰が何をどのくらい相続するのかなど決めなければなりません。円滑に相続ができればよいのですが争族という言葉もあるように、遺産相続はトラブルが発生するケースが多いです。また、負の遺産と呼ばれる借金があったという事実が故人の死後、明らかになりトラブルになる場合もあります。遺品整理も問題になりやすい要因です。死後、遺族の誰かしらが遺品を整理することになりますが、保管場所の都合や処分費用の用意を遺族がしなければなりません。持ち物や財産の整理は本人だからこそ出来ることも多くあります。