葬儀におけるネクタイ

葬儀用ネクタイの選び方として、まずは基本的な決まりとなりますが黒色で光沢の無いネクタイを選ぶようにしましょう。同じ黒であっても光沢があるネクタイは、喪服などのブラックフォーマルに合わせると派手な印象になってしまいます。ですから、故人を悼む場所では光沢があるネクタイはふさわしくありません。光沢がない漆黒のような黒色のネクタイを選ぶようにすると良いでしょう。基本的に黒無地のネクタイを着用することがマナーですから、黒字に同色であっても柄やストライプなどの模様が入ったネクタイも派手な印象を持たれる懸念がありますのでふさわしくありません。その点を踏まえ落ち着いた柄や刺繍であっても避けるべきと言えます。
葬儀用ネクタイを買える主な場所は、実店舗であれば紳士服店や百貨店で購入できます。なお、葬儀用ネクタイが置いてある場所には黒色が薄めの法事用ネクタイも置かれている場合が多いので間違えないように注意しましょう。また、実店舗に赴くのが難しい場合にはネット通販でも購入可能です。近年では所によっては百円ショップやコンビニにも葬儀用ネクタイが販売されています。百円ショップでは安く購入できますがその分素材の質は下がってしまいますから見た目が劣る可能性もありますので、緊急時の候補として視野に入れておくと良いでしょう。また、コンビニでの購入も可能な場合もあります。しかし、百円ショップとコンビニに共通して言えることですがどの店舗にも葬儀用ネクタイを必ずしも置いてあるとは限りません。葬儀用ネクタイを探す時には、ビジネス街や葬儀場の近くの店舗を回ってみると良いでしょう。
ネクタイには様々な結び方がありますが、「葬儀用の結び方」という特別なルールはありません。ですが、印象が派手になる様な遊び心がある結び方は避けた方がいいと言えるでしょう。一般的かつシンプルな結び方として、「プレーンノット」という結び方があります。プレーンノットの結び方は、 まず初めにネクタイの大剣(ネクタイの先端が太い方)を長めにして小剣(ネクタイの先端が細い方)の上にクロスさせます。次に重ねた大剣を後ろから巻きつけるように一周まわし、更に後ろから前にむかってもう半周まわし小剣の後ろにもっていくようにします。首元でループ状になったところに大剣をまわし上から通したら、結び目が固く小さくなるように小剣を引っ張りながらスライドさせれば完成です。この際に注意が必要なのが、ディンプル(えくぼを意味する結び目の下のくぼみのこと)は葬式でのネクタイには必要ありませんので作らないようにしましょう。
一般的にビジネスマナー上では、ジャケットを着用しない場合は特にネクタイピンでネクタイを留めるのがマナーとなっています。また、ネクタイピンでネクタイを留める事によってネクタイが擦れて劣化する事を防げる為、日頃からネクタイピンを使用している方も多いかもしれません。しかし、葬儀に参列する場合にはネクタイピンはつけません。ネクタイピンは光を反射しやすい材質で作られていることが多く、光を反射しやすいものはタブーとされている葬儀の場では不適切と言えるでしょう。しかし、ネクタイピン全般が不適切という訳ではなく、葬儀用として販売されている光沢がない黒色のネクタイピンや真珠のネクタイピンは着用しても構いません。ですが基本的にはネクタイピン自体をつけないのが望ましいです。
先に葬儀用ネクタイの主な購入場所についてでもお伝えした百円ショップやコンビニで買える黒いネクタイを着用しても失礼にならないのかという問題ですが、結論から申し上げますと百円ショップやコンビニで買える黒いネクタイを着用しても失礼にはなりません。価格が安価な分、素材が異なり見栄えが悪い場合もありますが特に問題はないでしょう。かえって、手持ちのネクタイの中から光沢や柄・刺繍のあるものを代用して着用してしまう方が失礼にあたりますので、急な葬儀で黒無地のネクタイがない時は手持ちの物で代用するのではなく、すぐに行ける百円ショップやコンビニで探すと良いでしょう。
また、ブラックスーツや喪服を着用しない場合でも黒いネクタイが良いのかという問題ですが、急な葬儀でブラックスーツや喪服で参列できないような状況でも、黒いネクタイを着用することが望ましいです。急な葬儀で黒いネクタイがどうしても準備できない時には暗い色のネクタイなら着用しても構いません。しかし、光沢や柄があるものは可能な限り避けた方がいいでしょう。仕事帰りなどにそのまま行くケースが多い通夜の場合は、黒色ネクタイでなくてもいいとされていますが、葬儀の場合は黒いネクタイにするのが最低限のマナーです。

葬儀における髪型

葬儀に参列する際は服装は勿論のこと、髪型や髪色にも気を配ることもマナーのひとつです。全ての人に共通して言えるのが髪色のマナーについてです。近年では様々なヘアカラーが流行しています。ですが葬儀の際には全体的に落ち着いた雰囲気と色合いの場なので、髪が明るすぎると悪目立ちしてしまいますので気を付ける必要があります。髪の毛の色も落ち着いた色にするのがマナーですので、髪を染めている場合暗めの茶色であれば許容範囲ですが、明るい茶色や金髪、派手な髪色などにしている場合にはスプレーなどで一時的にでも黒髪にしましょう。スプレーなどはドラックストアやバラエティーショップでも取り扱っていますので、可能な限り用意しましょう。髪色については寛容な世の中になってきていますから日常生活では支障がない場合であっても葬儀の場では違います。また、マナーや風習に重きをおいている方からする不快に思われてしまう場合もあります。今後のお付き合いに支障をきたすことになりかねませんから、葬儀の時だけでも落ち着いた色や黒髪にしましょう。
男性の髪型の場合は清潔感を感じられるものが理想ですが、過度なアレンジをせず清潔感を出す為にはワックスやジェルを使いすぎない事が大切です。普段であればワックスを使う際は毛先を立てたりアレンジを加えたりするかと思いますが、葬儀の際には髪のはねや膨らみを抑えるために多少使用する程度にしましょう。また、短髪の髪型でも髪がテカテカするほどワックスやジェルを塗るのはマナー違反ですので注意が必要です。お葬式の場では前髪が顔にかかりすぎる髪型はマナー違反ですので、目にかかるほどの長さであれば少しカットするかワックスなどで上手くまとめるようにしましょう。
男性でも長髪の方がいらっしゃいますから、その場合は女性の髪型のマナーと同様に顔にかかるような場合には後ろでひとつに結ぶ等しておくと良いです。もしもサイドの髪がゴムでまとめられない場合には耳の後ろで黒いピンなどで止めるなどして、清潔感のある髪型を保ちましょう。また、パーマをかけている場合にはゴムで後ろにまとめるか、短い場合はジェルなどで可能な限りストレートに近づけると良いでしょう。この際にもジェルなどのつけすぎには注意が必要です。
女性の方の髪型のマナーと一括りに言っても多種多様な髪型がありから、大きく分けて髪が短い場合と長い場合でのマナーをご紹介致します。意外に悩みやすいのがボブくらいの長さです。ショートヘアであれば邪魔な部分はピンで留めたりといったような作業で事足りますが、ボブくらいの長さである場合は後ろでひとつに縛ることができなかったり縛る事が出来ても短い部分の毛が出て逆に崩れて見えてしまったり、かといって耳にかけてすっきりとした髪型をしたつもりでも動いた拍子に顔にかかってしまう事もあります。このような髪型の場合には無理に縛ろうとせずに、黒いピンを使ってまとめると良いでしょう。念のためにピンも余分に持参していくと安心です。
髪が長い場合であれは、低い位置でひとつにまとめるようにしましょう。全体にパーマがかかっている場合は毛先が広がってしまうのを防ぐ為に編み込みやお団子などにして全体的にボリュームを落とす様にすると良いでしょう。なお、喪服を着た場合はフケが肩に落ちるとかなり目立ちますので清潔にするように心掛けましょう。また、お葬式では会釈やおじぎ、お焼香などをする機会が多いため、髪が顔にかからないようまとめておくことも大切です。